【喚鐘(かんしょう)】といいます。
だいたいは本堂の裏にあって、法要時の集合や開始の合図に使います。
西光院の仏具の中で最も古く、銘に
「貞享元年(1684) 極月28日」とあります。
開山から20年、第2代法誉上人の時です。
冶工は、五位堂村 藤原周防大掾末次 理左衛門 作とあります。
これは近世に活躍した香芝市五位堂の鋳物師三家のうちの一つ、杉田家です。
私の出自であるお寺の檀家様でもあり、巡り合わせの不思議を感じます。
太平洋戦争末期、金物を回収した施策の延長で、仏具にも回収令が出ます。
家庭の鍋や包丁に至るまで供出された
事実を思うと(地域にもよるでしょうが)、
時の住職が隠し通したのではないか、とも想像します。
変化するイデオロギーと、伝法の灯火。
つぶされても教えを守る覚悟はあるか・・・、だらしない私は。
寺々を巡る時には、梵鐘や喚鐘の銘を眺めるのが私の秘かな楽しみでもあります。
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