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第4章「登嶺、隠遁の志」

更新日:7月8日




【解説】

 叔父がその才能を見込んだように、比叡山に登ってからも勢至丸は天才ぶりで周囲を驚嘆させます。

 最初の師・源光さまのもとで、手ほどきを受ける前に古来の問題とされる点を指摘して見せたのです。物事の本質を素早く見抜く力でしょうか。

 二番目の師・皇円さまは叡山屈指の学匠で、諸手を上げて勢至丸を歓迎されるのですが、学問(修行)の目的をめぐって師弟の齟齬があります。


 父の遺言忘れがたく、母の涙を背負って霊峰によじ登っている勢至丸が栄達など望んでいる訳はないのです。

 世俗の権力闘争をそのままに映していた叡山で、真剣に道を求めるためには、「隠遁」といういわば〝二度目の出家〟をする必要があったのです。

 戒律の専門家である最も厳格な先達を求めて、西塔・黒谷におわす三番目の師・叡空さまの門へ飛び込まれたのです。

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