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つぎはぎ

 西光院の本堂は、およそ築300年。当然その間、屋根・床周り・周囲の壁の修繕は繰り返されている。観音堂や薬師堂、渡り廊下の状態を見ても、どこも粗末な材料(例えば天秤棒や鍬の柄など)を駆使し、素人仕事(つまり檀家さんの奉仕)で、つくろいを重ねているのがわかる。

 私が住職として入寺した当日も、くだんの二堂の床板修理が始まり、心細い新天地でいきなり戸締りができないという状況からスタートだった。それ以後の住職歴13年の中でも、どこかしらの修理や土木工事といったことを繰り返している。


 この4月の春の風雨に裏堂(本堂の裏側)の明かり窓が破れてきた。隙間だらけなので常々風通しが良い御堂だが、これは不味い。役員さんには都度、奉仕を頂いていて申し訳なく、これぐらいなら自分でやろうと法務の空き時間でつづくり。

 予め採寸や材料を用意しておいて、日曜日の午後から3時間。古いビニルシートを剥し、当て木を切り、ペンキを塗り、釘を打って・・・。

 鈍った体を奮わせて、やりがいを十分に感じた。


 歴代住職のご苦労と檀家さんのバックアップにまた想いを馳せた。小寺イズム万歳。





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