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仏壇の中に遺影を祀るとダメ?

  • 執筆者の写真: 中村法秀
    中村法秀
  • 8月27日
  • 読了時間: 4分
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「知り合いから『遺影を仏壇の中に置いてはダメよ』と言われて、急に気になりまして」

との言。

日常的に受ける質問ですが、今年の盆は、複数の方から質問されました。



私の答えは、

「全く問題ありません。気にしなくていいです」

です。



それらの指摘は、根拠となる教えのバックボーンもなく述べられています。

信仰上の態度を理由にしていても、大したことは見当たりません。

全く揺らぐ必要はなく、無視して良い意見です。



試しにネットの動画サイトで「仏壇」「遺影」で検索してみると、出るわ出るわ。

各宗の坊さん、仏壇屋・葬式屋、マナー講師、霊能者といった方々が入り乱れ、種々雑多な意見を述べていますけど、結局どれもこれも論拠がないんです。

(多くが自身の中で矛盾し、破綻しています)



仏壇は仏さまの世界を表しているから、どうのこうの。

世俗の衣服姿が写っているから、どうのこうの。

生存者が一緒に写っていたら、どうのこうの。

(それがどうしたんでしょう?)



仏壇の上は聖域なので、どうのこうの。

日当たりが良い場所は、どうのこうの。

処分する時は、どうのこうの。

遺影の撮影した時期が昔過ぎるのは、どうのこうの。

(もう、場外乱闘になっています)



何も問題じゃありません。

遺影を違う場所に移すべきほどの理由はどこにも見当たりません。

遺族が心境の変化で片付けたり、場所を移されるなら、それも一向に構いません。

逆に仏壇に祀るべきという理由もありません。



遺族が故人を偲ぶ想いを信仰へと導くべきなのに、

「あんたみたいなバカは見たことない」とか、

そんなことしていると「地獄に堕ちるわよ」と脅して、

これが正しいの!とデタラメを押しつけ、物品購入に誘導する。いや、視聴率(回数)を稼ぎたい。

一時期、テレビ各局が持て囃した、あの受け売りデタラメの四柱推命を振りかざし、裏では石屋と組んでアコギな商売で暴利をむさぼっていた細木数子を思い出します。

(かなりの悪影響がありました。テレビも同罪です)



そして、坊さんのコメントに関して思うのは、残念ながら、そちらの宗派の教えに照らして正面からモノが言えない、つまり「言える材料がない」のだなと思います。

営業妨害する気は毛頭ありませんが、亡き人を弔う位置づけも曖昧なのが透けて見えます。

問題はそこから来ているなと感じます。

宗論をする気はありませんが(他宗はどうでもいい)、浄土宗で良かったなぁと思います。



いずれ、共に、極楽浄土で、阿弥陀さまのお膝元で再会できるのです。

遺影は、亡き人に想いを寄せるための大きな手掛かりです。


世俗の服を着ていていいじゃないですか。

その人と過ごしてきたんですから、思い出すために、もっともその人らしい自然な姿、表情でいいんです。



『仏壇が仏さまの世界だから世俗の服はダメ』

と言うなら、画面を金色に加工したら納得しますか? しても良いですけど、バカ言ってんじゃないですよ?

こっちは娑婆に残って煩悩を道連れに生きているんですから。亡き人を通じて極楽に憧れを抱いていくのです。その橋渡しを亡き人がしてくれるんです。


(それで、どっちみち「他宗は」われわれ凡夫の往生を許しません。だから我々の身近な人が仏壇にいると都合が悪いのです。生前に悟れなかった人は、死後、仏の世界に行けない教えですから。位牌を仏壇の中に入れるのも本来その教義からすれば矛盾しています。それでいて写真に矛先を向けている。そこに最大の矛盾があるのに触れないのです。問題は写真じゃない。教義です。もっと言うと、その人の見識のなさであり、人間性が問題です)



『仏壇はお寺の本堂と一緒ですから、聖域にそぐわない』

という意見がありました。

これにもいろいろ反論したいですが、(とどのつまり)じゃ、悟ったような顔して世俗以上に俗な生き方をしてる(クソ)坊主がド真ん中に座ることをどう説明しますか。


(人間観が未熟というか、自分のことは棚上げしている無責任なスタンスだからノウノウとそういうことが言えるのです)



あと、

『5年以上昔(若い時)の写真だと(なんだかんだと)』

問題視して宣わっている動画がありましたけど、それがどうしたんですかね?

大きなお世話です。



それから、つかみ(キャッチ)に

『故人が悲しむ祀り方をしてしまっていないか』

というセリフを述べているのがありましたが、

こういうのはかなり的外れな、悪質なキャッチコピーです。



困惑した質問者の陰に、こういう連中の言葉を感じて腹が立ちました。


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