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仏壇の中に遺影を祀るとダメ?
「知り合いから『遺影を仏壇の中に置いてはダメよ』と言われて、急に気になりまして」 との言。 日常的に受ける質問ですが、今年の盆は、複数の方から質問されました。 私の答えは、 「全く問題ありません。気にしなくていいです」 です。 それらの指摘は、根拠となる教えのバックボーンもなく述べられています。 信仰上の態度を理由にしていても、大したことは見当たりません。 全く揺らぐ必要はなく、無視して良い意見です。 試しにネットの動画サイトで「仏壇」「遺影」で検索してみると、出るわ出るわ。 各宗の坊さん、仏壇屋・葬式屋、マナー講師、霊能者といった方々が入り乱れ、種々雑多な意見を述べていますけど、結局どれもこれも論拠がないんです。 (多くが自身の中で矛盾し、破綻しています) 仏壇は仏さまの世界を表しているから、どうのこうの。 世俗の衣服姿が写っているから、どうのこうの。 生存者が一緒に写っていたら、どうのこうの。 (それがどうしたんでしょう?) 仏壇の上は聖域なので、どうのこうの。 日当たりが良い場所は、どうのこうの。 処分する時は、どうのこうの。...

中村法秀
8月27日読了時間: 4分


アジサイの季節
今週に入って一気に色づいてきました。 見るたびに色が変化して印象が変わるのが楽しいです。 花言葉の一つに「移り気」があるのはそのことを言うのでしょう。 土中の養分を吸い上げながら色艶を変化させてやまない、その瑞々しいすがたを私は愛おしく思います。...

中村法秀
6月10日読了時間: 1分


仰ぐ視線
こんにち、お寺でもイス席が普通になった。 生活様式が変化したのであって、抗えない。 老いも若きもイスの生活なのだから、 参詣を受け容れる側としてもイスを用意せずにはいられない。 いかにも「仕方なし」という書き方だが、 私も日ごろ、自分だけのお勤めでイスに座ってしまっている。...

中村法秀
2022年1月18日読了時間: 1分


令和4年
新しい年が明けました。おめでとうございます。 新春早々、コロナの新種(オミクロン株)のために、やむなく檀家総集会を中止する決定を総代さまと合議し、その書類作成に追われています。 昨年中も行事は、春秋彼岸会、施餓鬼会、観音・薬師尊の縁日、地蔵尊の縁日、十夜・仏名会を実施できま...

中村法秀
2022年1月4日読了時間: 1分


つぎはぎ
西光院の本堂は、およそ築300年。当然その間、屋根・床周り・周囲の壁の修繕は繰り返されている。観音堂や薬師堂、渡り廊下の状態を見ても、どこも粗末な材料(例えば天秤棒や鍬の柄など)を駆使し、素人仕事(つまり檀家さんの奉仕)で、つくろいを重ねているのがわかる。...

中村法秀
2021年5月13日読了時間: 1分


新春
年越の除夜の鐘は、寒波の襲来で例年より寒さがきびしく、されど風がおさまって、独特の静けさの中に新年を迎えました。 鐘撞きはコロナ禍の影響らしく、少なめで23名の参加。 感染防止対策の疲れからくるムードなのか、いつもの浮かれた空気がなく、馴染みの参加者は粛々と鐘を撞き、世間話...

中村法秀
2021年1月4日読了時間: 1分


法味
子ども会の関わりで、人形劇や紙芝居、腹話術といった演劇を拝見する機会に何度か恵まれてきました。 演者が聴衆を引き付けていく手法や瞬間を味わい、その凄みを感じられることが楽しみでもあります。 一方、話半ばで演者が自身に帰ってしまうことも、しばしば見受けます。...

中村法秀
2020年10月8日読了時間: 4分


教学と現場
大村英昭先生(他宗→浄土真宗)の有名なフレーズに、「教学なき現場(布教)、現場(布教)なき教学」というのがあります。 堅苦しい教学(教義理論と研究)が現場の信仰土壌の豊かさを排除してしまうことの弊害と、邪説・迷信に振り回されて本来の信仰を失ってきた歴史的事象と愚かさに論及さ...

中村法秀
2020年7月19日読了時間: 3分


動機づけ
増築中の庫裡に書庫を切らせてもらえたので、本棚を整理しながら懐かしい手製の冊子を手にとりました。高校時代に歴史研究部で作った三国志の冊子です。 三国志は、2世紀末~3世紀末ごろの中国。後漢王朝末期の動乱で群雄が割拠し、魏・蜀・呉の三国に分裂して覇権を争い、魏から移行した西晋...

中村法秀
2020年6月4日読了時間: 3分


月参りで御法語を
うちのお寺の地域(檀信徒さん)には、そのお家の先亡のご命日に合わせてご自宅へお参りする習慣があります。 お参りをして世間話をして帰るだけでもたいへん意味深いのです。お勤めの清々しさ、これはしない人には分かりません。 門口から仏間へ。世辞を述べている間にも、その家人のご様子や...

中村法秀
2020年5月25日読了時間: 2分


新型ウィルスの中で
4月16日に緊急事態宣言が全国に拡大されてから、檀家宅に訪問する月参りは基本的に休んでいます。 所属する研修会や教化活動の会合は、一切飛んでしまっており、外出の機会もウンと少なくなりました。 ワクチンが出てくるまでは防ぎようのない状況下、やむを得ないことながら、悶々とした日...

中村法秀
2020年5月11日読了時間: 1分


永代供養
一目して呆れました。 新聞の広告欄に「期限のない永代供養墓」とあるのです。日本を代表する大寺院の名が冠に謳われている霊園です。 どうやらご本山が経営に関与する外郭組織のようです。 その告知自体が矛盾していることに気付かない人はないと思います。...

中村法秀
2020年3月11日読了時間: 1分


古典臨書
大学の学部卒業後、大学院に入るまでのブランク1年間に、書を習いに行ったことがあります。 尊敬するその先生の教えは、決して手本を書かないというショッキングなものでした。 自分で古典を見、自分でその筆遣いを探求していく、それこそが本当の書を学ぶ道だと教えてくださいました。...

中村法秀
2020年1月15日読了時間: 2分


涅槃図絵解き
前の日曜日(12月1日)。 当山恒例のお説教を聞く会(今回は涅槃図の講説)には 30名ものご参加を頂いてたいへん盛況でした。 お檀家さん、外部の方ともに初参加があって たいへんありがたく、うれしかったです。 準備として、この3ヶ月というもの時間を探しては...

中村法秀
2019年12月4日読了時間: 1分


拝観
重文指定のお地蔵さまを訪ねてくださる方があります。 愛好家で、仏像に関するかなりの知識・見識をお持ちであることが多く、教わることばかりです。 当然ながら仏像への関心が第一で、目は拝むよりも美術品を観る目です。あくまでお参りの人と思って受け入れている住職としては、微妙なズレに...

中村法秀
2019年11月28日読了時間: 2分
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