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それでもプロか?

  • 執筆者の写真: 中村法秀
    中村法秀
  • 1月8日
  • 読了時間: 2分

ある信徒さんがお母さんの満中陰に合わせて両親の位牌を新調された。

インターネットを通じて発注されたところが、写真のような位牌ができあがってきた。

夫婦で文字の位置がズレているのを不思議に思って刹那、あきれた。


ご主人の方にだけ「位」が入っている。

仏弟子として生前に受ける名前が戒名だが、

位牌にする場合は、極楽へ往生された結果として得られる「位号」(名前)であることを表している文字だ。


夫婦位牌なら、それぞれの戒名の下に半角程度の空白を置いて刻むか、二人の戒名の下に1つだけ入れる。

写真のように片方にだけ入れることはない。

しかもこれは戒名の一部という扱いで入れている。


喪主さんにそのことを伝えると、

「前もって住職さんに確認せずにすみません」と謝られる。

そこじゃない。


私「ダメなのは仏具屋です。これどこの仏具屋ですか? あぁ…ネットで?」

喪主さん「原稿を確認されたのでそこで校正を入れなかったこちらが悪いと思います」


それは正論だが、仮に原稿で依頼者が分からずにそう書き込んできても、

作る側がプロとして、「位」は書式的に最下段で入れるものという案内や導きがあって当然だ。

つまり、そんなことも知らずに仕事をしている可能性がある。


もう1つ言えば、頭にあるキリク(阿弥陀如来を表す)も、間がぬけていてダサい。

ずーっとこの先、位牌を見て手を合わすたびにダサいと思うだろう。

これも作り手のセンスの問題。


なおも収まりがつかない私は、

「住職が『それでもプロか?作り直せっ』てごねてますと業者に言うてください」

「もしくは、私言いますよ?連絡先教えてください」

と促したが、そんな無作法なことはされなかったし、最後まで業者の名前を明かされなかった。

しばらくして月参りに伺うと、作り直した位牌を出された。


近年、安価を謳って(安いだけの理由がある)急場の金儲けをしようと、粗悪な業者がネットを使い、葬式屋とも連携したりして進出してきている。

老舗が必ずしも良いとは言わないが、普通の仏壇屋に頼んでいれば、これはありえないミスだ。作り直す費用を思えば、最初から仏壇屋に頼んだ方が安かっただろう。


多死社会が終わるまで一儲けしようとしている粗悪な業者はあちこちにいる。

プロとしての当たり前のプライドを持って仕事をしている、あくまで長年の信頼関係のある業者に頼みたい。


「それでもプロか?」

自分に問いながら、北風の中をお参りに向かう。


 
 
 

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